今回は、ローカル店でブンチャーという庶民料理を食した事も重なって一気にハノイ民達の心を掴んだオバマ大統領についてのコラムです。
ハノイ民は、オバマ大統領に嫌悪感をいだかないのか!?
中には、『ベトナム戦争の際、北ベトナムと敵対していたアメリカ合衆国の大統領であるオバマ大統領に対して、嫌悪感や対米感情は無いのか!?』と疑問をお持ちの方もいるかと思います。
今回ハノイでオバマ大統領の訪問を身近に感じてみて、ベトナム人が嫌悪感を抱いていると感じた事は一切ありませんでした。タクシードライバーも道行く人たちも、バスの乗客も、同僚達も「オバマー!オバマー!」と歓迎ムードでした。
ただ、それは友好関係というより、ミーハー心で「アメリカで一番有名な人が来たぞ!!」って感じの盛り上がりに感じました。
歴史を知らない?過去を気にしない?
少し前に参加したツアーのベトナム人添乗員の男性は、「大人になってネットでなんでも調べられるようになって初めて学生時代に習っていた歴史が間違っていた事を知った。衝撃的だった。」と言っていたので、もしかしたら、過去のアメリカとの関係性などについてあまり知らない人もいるのかも知れないです。
もしくは、過去を気にしないお国柄だからかも?とにかく誰も気にしている様子はありませんでした。
歓迎ムードに疑問を持つ在越仏人
ベトナム人も、日本人もオバマ大統領の訪問に若干浮かれている中、ベトナム在住フランス人の友人Pのみが、「なんで歓迎ムードなの?」とFacebookに疑問を投げかけていました。
その疑問に対して答えているのは西洋人ばかりでしたが、1人だけベトナム人女性が意見を書いていました。
以下、彼女のコメントを日本語訳したものです。
「過去の出来事や政治的なポイントだけで、私たちは彼の事を判断しません。彼は素晴らしい人だと思います。このベトナムにフレッシュな空気を吹き込んでくれました。私たちにとってそれは一番大切な事です。
私たちは、中国による水質汚染が原因で、たくさんの魚たちが死んでいる事の方が問題だと思っています。
今日私は、オバマ大統領のスピーチを聞いてたくさんのインスピレーションとポジティブな力を受け取りました。」
今回のベトナム訪問で、オバマ大統領は、『武器禁輸解除』を表明しました。これは中国抑止の為と言われています。
ベトナム人にとって終わった過去の出来事に執着を持って嫌悪感を抱くより、今起こっている問題に対する解決策を望んでいるのかもしれませんね。
オバマ米国大統領のベトナムの若者に向けたスピーチ翻訳1
おまけ
空港で、オバマ大統領と会えていた!?
実は筆者、オバマ大統領がノイバイ空港に到着する10分前まで空港に居たのです。
まさか聞いていた日程の前日に到着するとは思ってもみなかったので、到着後サッサとタクシーに乗り込んでしまいました。後から考えてみるとイミグレーションはガラガラ。預け荷物受け取りレーンには全く人が居なかったので、気付ければ良かったです。
筆者は、荷物を預けていなかったので、スタスタと抜けてしまったのですが、もしも荷物を預けていたら、オバマ大統領に会えていたかもしれないですね!
しかし、その時はオバマ大統領がいるとは全く知らず、普通にタクシーに乗り込みました。
その後、タクシーが走っていたのとは別のルートで、オバマ大統領の車が走っていたらしく家の直前でタクシーが動かなくなりました。
何事かと思ったら、突然ドライバーがタクシーを置いて外に出て行ってしまいました。暇だったので、ふとFacebookをみるとオバマ大統領到着のニュース!
そこでやっと車が動かない理由が、オバマ大統領の車が通っていることが原因だとわかりました。
しかし、ドライバーのいないタクシーから出てオバマ大統領の車を見に行った隙にトランクに入れてあるキャリーバックに何かあっては困るので、タクシーの中でドライバーが帰ってくるのをひたすら待っていました。
リベンジ!!~オバマ大統領がハノイを去る日~
オバマ大統領が訪問した3日間、こんなに賑わっていたのに!空港で会えていたかもしれないのに!車すら見られない事に悔しさを覚えていました。
筆者の働くオフィスはオバマ大統領が滞在していたホテルの直ぐ近くだったので、ラストチャンスがあるかも!と窓の外を定期的にチラチラと眺めていました。
すると
普段は、聞こえないパトカーのサイレン、急いで窓の外を見ると普段車が途切れなく走っているハイウェイ部分が空っぽでした。
慌てて同僚達に報告し、みんなで大騒ぎ!
ちなみに、オバマ大統領の車を見送った翌日05月25日(水)は前日の雨の影響で、同じ道がこんな状態になっていました。
現在日本に滞在中のオバマ大統領。明日05月27日(金)は、原爆がアメリカ合衆国によって日本に投下されて以来、初の米国大統領による広島訪問ですね。
果たしてどうなるのでしょうか?