皆さんは、ベトナムの養護学校などに通う子どもたちを支援し、子どもたちが描いた絵を商品化し、支援している団体をご存知ですか?
他のお店には無いカラフルなデザインの商品なので、ハノイにお住いの皆さんは一度は目にしたことがあるかもしれません。
その商品を制作している団体は、『Tohe(トーへ)』と言います。
Toheとは?
子どもたちの未来のためにできること”100% playful!”な日用品
「Tohe(トーへ)」の歩みは、ベトナムでクリエイターとして活動していたグェン、ンガン夫妻がチルドレンセンターのボランティアに参加したことをきっかけに、2006年に始まりました。当初は不定期のアートアクティビティとしてスタートしましたが、その後、夫妻が旅先で出会ったパブロ・ピカソの言葉「ラファエロのように描くには4年かかったが、子どものように描くには一生かかる」からヒントを得て、子どもたちの創造力溢れるToheのプロダクトが生まれました。
クリエイティブなアート体験は、ベトナムで暮らす全ての子どもたちにとって、とても貴重です。
現在、Toheはハノイの養護学校などで、子どもたちのために週に一度の楽しいアートクラスを開いています。
これらの作品を主役に、”100% playful!”がコンセプトの様々な日用品を企画・デザイン・生産・
子どもたちそれぞれの表現を活かし、大量生産品にはないToheらしい配色や形のものづくりをしています。
また、素材の選択においても環境に配慮し、生産アトリエで1点ずつ心を込めて縫製しています。
プロジェクトの目的は、子どもたちに社会での活躍の機会を提供し、売り上げの一部を本人に直接還元することです。
長期的に子どもたちと関わり、経済的な支援だけではなく個々の成長を見守り、それぞれに合った方法で将来の自立をサポートしています。
これらのプロダクトの販売による支援の他、ベトナム国内では一部の原画販売や、誰でも参加できるアートアクティビティなどを開催しています。
Toheは、子どもたちのクリエイティブな才能を伸ばし、それぞれの個性を生かしたものづくりを通して、子どもたちの未来を作ります。
詳しくは、下記スライド(英語)をご覧ください。
とても素敵な取り組みですね!
Toheの活動
上記スライドの中から、重要な部分をいくつか箇条書きにしてご紹介いたします。
- Toheはアートクラスを通じて、ベトナムの子どもたちに教育の機会を提供している。
- アートクラスで生まれた作品をリデザインし、商品として販売している。
- 個々の商品売上の5%が直接子供たちに支払われるようになっており、利益の51%はアートクラスの運営資金となる。
- 2018年度は224の作品が商品となり、269,125,695VND(約11,580USD)が直接作品を生み出した子供たちに支払われた。
Toheの名前の由来
「Tohe」はベトナムの伝統的なおもちゃで、米粉や自然の着色料が使われており、遊んだ後には食べることができます。
私たちの事業も、環境に優しい素材にこだわり、子ども達の自由な想像力を活かす場所をつくり、また作品が子ども達の経済的な自立につながることからToheと名付けました。
アートクラスの様子
下記の動画で実際に支援が必要なベトナムの子どもたちが絵を描く様子が紹介されています。
ハンドメイドで商品化
Toheのデザインコンセプトは、大人が忘れがちな”遊び心”の大切さを伝えることで、それを存分に引き出せる構成を意識して行われています。
実際にお店で触ってみていただきたいのですが、どの商品もとても良い肌触りです。
子どもたちのその後
Vun Minh Ducさんという自閉症の男児が、Toheのアートクラスにより、アートの才能が見いだされ、2018年からToheのメンバーとなりました。
彼の活躍について、Toheさんからメッセージをいただきました。
すべての子供たちが彼のように良くなる、ということはありません。
しかし誰かが活動しなければ、何も変えることはできません。
Toheの活動の一つの結果として、彼のような例が生まれています。今年度も数名のアーティストを新たに雇用する計画があります。
私たちは、これからも一人でも多くの子供たちにアートを通じて教育を提供し、彼らの自立に貢献できるよう支援を行っていきます。
彼らの取り組みに興味を持った方は是非一度お店に足を運んでみてください!
お店情報は、下記の通りです。
写真/スライド/動画提供:Tohe