【ハノイ理美容師対談②】ハノイにおける日本人美容師・理容師の価値

近いようで遠い。遠いようで近い。美容師と理容師。
運命のいたずらか、ハノイで出会った同じ歳2人。
かたや美容師 × 現地採用、かたや理容師 × 出向という立場である山志田淳さん、佐藤輝明さんの2人にそれぞれの立場で語って頂きました。
2回目である今回は、ハノイに来たきっかけ等をテーマに語って頂いてます。ぜひご覧ください。
▼過去の記事はこちら
【ハノイ理美容師対談①】美容師/山志田淳 × 理容師/佐藤輝明

理美容師対談・第2弾

なんで2人はハノイに来たの?

美容師・淳
僕は、美容師として一生やっていくうえで、人と差別化できる武器を探したいと思って、色々探していたら、世界の色々な国を飛び回って、2週間おきに日本と海外を往復している美容師のブログを見つけて、カッコいいと思った。僕もそういう風になりたいと思ったのがキッカケかな。
理容師・輝明
僕は、海外に全く興味が無くて、日本国内では色々と旅していたけど、海外に一歩も出た事がなかった。
今働いている理容室が2年前にハノイにお店をつくる事が決まって、「行きたい人!」と候補者をつのられて、手を挙げたらいける状況だったんだけど、その時は、全く興味が無くて手も挙げなかった。僕の頭には「海外」なんて全く無くて、ずっと日本にいるんだろうなと思っていた。それがハノイにお店が出来て10ヵ月経った頃、突然その当時の店長から「ハノイに行ってほしい」と言われた。海外なんて全く想像もしていなかったから、不安な部分もあったけど、自分の人生に今まで無かった事だったから、面白そうっていう気持ちの方が大きくて、それでわかりましたって答えたんだ。
あと、日本でスタイリストになって1年が経ってて、良くも悪くも慣れてきていて「このままでよいのかなー」と思っていたのもあったから、そのタイミングもあって変わった環境に行くことで、今の自分が良い方向に変われるかなと思ったんだ。
美容師・淳
今まで作り上げてきたお客様との関係を全部ゼロにしてハノイに行く事に抵抗はなかったの?
理容師・輝明
あった!めちゃくちゃあった!・・・けど、店長に「僕もお店で1年働いてお客様もついてくれてるんですけど、その辺どうですか?考えてくれていますか?」と聞いたら、きちんと引き継ぐから心配しないでと言われて、お客様からは、「若くして行けるのって貴重だよ」「帰って来たら、また切ってね。」とか、ハノイに行く事を喜んもらえたから決心がついた。でも、やっぱ何人かのお客様は「えっ!?(困惑)」みたいな顔する人もいて「居なくなっちゃうの?」みたいに残念がってくれる人もいて、でもそれはそれで嬉しかった。
お店のスタッフとお客様の相性をしっかりみて、引き継いできたよ。

ハノイに来てみてどう?

美容師・淳
僕は、予想以上に住みやすくてびっくりした。もっと不便だと思ってた。
食に関しても住む家に関しても、こんなに日本と同じような生活が送れるとは思わなかった。今住んでいる家は、440ドルで、リビングとベッドルームが別でお風呂にはバスタブ付き!
(注:ハノイの家はシャワーのみが主流)
家賃には、掃除洗濯代も含まれているから、掃除も洗濯も全くしなくてよくて、お殿様みたいな生活が出来てる。日本でも美容師として生活してたけど、その時の3倍くらい良い生活をしている。日本で僕の歳だとほんとヤバくて・・・。仕事が私服でお洒落な格好をしていないといけないし、日本だとほんとにほんとにきつくて、赤貧洗うがごとし・・・って言うんだっけ?そんな生活レベルだった。ご飯を食べるのもいっぱいいっぱいで、そんな生活を東京で5年間続けてきたんだけど、そこに全く終わりが無くて、人より秀でるものがないとと思って、僕はそれを探した結果が今だなと思ってる。
理容師・輝明
僕は、ハノイに来て本当に良かったなと思う。中でも色んな人に出逢えて、多分日本にいたら会えない人たちばかり。
美容師・淳
そうだね(しみじみ)

ハノイで出来た仲間たちに誕生日を祝ってもらう理容師の輝明さん。右端に写っているのが山志田さん。
理容師・輝明
それが本当嬉しい。日本には日本人しかいないから、日本人がいても当たり前だけど、こっちに来て道端で日本人を見かけると「あれ!なんか見た事あるかなー」とか「あの日本人何処で働いてるのかなー」とか気にする様になった。「ハノイに来ている」という時点で、一つの共通点だから、どっかで会った時も「あーあの時の!」みたくなって、すぐに打ち解けられる。日本だと日本人が住んでいて当たり前だから共通点にはならないよね。ハノイだから、すぐ仲良くもなれちゃうし、お客様との距離も近いし、ハノイにある他の美容室とも仲が良い。うちだけ理髪店だけど、仲間に入れてもらっている感じがする。ハノイでヘアショー*をやるってなった時もなんかちゃんと仲間に入れてくれて、ちゃんとチームも割り振ってくれて、うちだけでやるとヘアショーとかの経験が無いから、まともなもの・・・それっぽいものは作れたかもしれないけど、ちゃんと3人分けられて美容師さんの仕事見せてもらえたから、凄い有難かった!
新しい経験が凄い沢山出来たから、ちょっときつかったのは、最初の2ヵ月とかハノイに来たばかりの頃、生活に慣れるまでが大変だったくらいかな。最近は、「早く日本に帰りたい」といか言っている人の意味が分からないくらい良いなって思う。
美容師・淳
おっ!永住決定!?(笑)
理容師・輝明
いやいや(笑)けど、僕にとってはいいこと尽くしだなって思う。なんか、日本に家族がいるとかだとだいぶ事情が違うし、一般企業の方だったら海外出張とかで色々な国に行っていて「こっちの国の方がいい」とか「合う、合わない」とか、まー色々あると思うんだけどね。僕はハノイで良かったし、この職業だとお客様とプライベートでまで仲良くなれるのって日本じゃないから、ほんといいと思う。
美容師・淳
そうだと思う。やっぱり日本に居る時は美容師のコミュニティーにしか居なかったけど、こっちにいると、社長のポジションの人とかとも気軽にご飯に行けて、話しをきくだけでも勉強になって、いかに自分がいままで同じ職業の人達とつるんでいたかという事を気付かされる。
理容師・輝明
そう!だから、いられるものなら、腹をくくってずっといたいと思えるくらい、いいところがある。ハノイは、色々と楽しめる国だと思う。僕は、そもそも「ハノイって?ベトナムって何処にあるんだろう?」くらいで全然イメージがなかった。来てみて「あっ、こんな感じなんだ」みたいに思った。
美容師・淳
僕も全員傘被っていると思っていた。
(注:傘=ノンラー、ベトナム北部の伝統的な三角形の麦わら帽子)
理容師・輝明
凄い潔癖で几帳面な人には大変かもしれないけどね。ご飯とかも日本と比べると汚いところとかあるし、でも、男性なら適応できるんじゃないかなー。女性は衛生面とか大変そうだけど。こっちにいる女性は強いなっていうか、凄いなって思う。
*今年、レストラン『Pépé la poule』の3周年記念パーティー内の企画で行われたハノイ内にある全理美容室参加のヘアーショーの様子。

ハノイにおける日本人美容師、日本人理容師の価値は何だと思う?

理容師・輝明
何気に答えるのが難しい奴だ!
美容師・淳
僕は、日本人美容師というだけで、もてはやされるというところにビックリしているかな。
理容師・輝明
それは、この国の人って事だよね?
美容師・淳
そうそう!日本人美容師というだけで、日本である程度技術を習得してきている人なんだなっていう前提で、他の国のお客様が来てくれるんだよね。欧米人の方だったり、韓国人の方だったり、そういうところは、日本人の美容師っていうブランドがあると思うから、凄く良かったなと思うし、逆にブランドを壊さないように自分もしっかりしていかないといけないなと思う。あとは、現地の美容師さんとの知識の差というか・・・ハノイにいるベトナム人の美容師さん達は美容師免許を持っていなくて、クオリティでいうとちょっと低いから、そういうところでも差別化だったりとか、日本人美容師の価値はあると思う。
理容師・輝明
うちのお店は、やっぱり男性のお客様が多くて、若い方も来るけど、比較的年齢層が高い方が多いから、「ハノイにも日本式の理髪店があるんだ!」と喜ばれる事がよくある。美容室に抵抗を持っている男性も多くて、「美容室だとお洒落過ぎて自分にはちょっと・・・」というお客様も年齢層が高くなればなるほど多いから、そういう人達からは「落ち着けて良いね」と言われる。そういう意味で価値はあるかなと思う。

(続く)


Special Thanks!
山志田 淳 × Hair Salon KUREHA
佐藤 輝明 × 日本橋ヘアサロンONOハノイ店

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ABOUTこの記事をかいた人

宮城県仙台市出身。2013年6月からベトナム・ハノイ在住。 ベトナム在住そして、独身女性だからこそ書ける記事を提供できるよう日々奔走中。自称ハノイ美容マニア。趣味である各国の「民族衣装」撮影時にベストなコンディションで臨めるよう、日々新しい美容方法を試している。 本人はしっかりしているつもりなのに、度々変な事に巻き込まれる。地元の後輩からは『生きるコントby大宮エリー』と言われている。