筆者は、ハノイ歴間もなく3年なのですが、既に10人を超える友人・知人がハノイに遊びに来ています。全て仕事ではなくプライベートです。
単純計算すると3ヵ月に1回は誰かのアテンドをしている事になります。
そんな私、旅行関連の仕事をしているわけでは一切ありません。日系の会社に勤める一般人です。そんなハノイ在住一般人目線での来訪者ガイドをご紹介致します。
何故アテンドを頼まれるのか?
発展途上国ベトナムの首都ハノイは、来てしまえば、治安も良く(スリはいますが)、料理の味付けも日本人好みで、物価も安いですし、比較的何処でもFree Wi-Fiは使える海外としては、実はそこまでハードルが高くない国だと思います。
しかし、外から見ればやはり『発展途上国』ベトナム。公用語は「ベトナム語」ですし、何があるかわからない!けど、最近何かと話題だし行ってみたい!そんな時にハノイに少しでも知っている人が住んでいるとハードルが一気に下がって来やすくなるようです。
出発前の準備
①フライト情報の把握
来訪者がチケットを取ったら、直ぐにフライト情報を入手しましょう。
そうすれば、ノイバイ空港の到着状況を下記サイトで簡単にチェックする事が出来て便利です。
http://www.hanoiairportonline.com/flight-status/
また、ハノイ在住者の方ならご存知だとは思いますが、ハノイ出発の便は日付をまたいで直ぐの時間多く、結構1日勘違いしていて飛行機に乗り遅れる人がいるんです。
02日の0時30分発の場合、01日の日付を越した翌日なのですが、勘違いして02日の深夜だと思い込み丸1日勘違いしてしまう。
②ホテルの確保
「我が家は1部屋空いてるから、この項目は関係ないわ!」と思ったそこの貴方!ちょっと待ってください。
大いに関係ありますよ!
想像してみてください。
友人をアテンドするという事は、右も左もわからないまるで幼児を世話するようなものです。トイレ、食事、飲み物、交通手段すべて貴方がケアしなければいけません。
正直、想像以上に大変です。めちゃくちゃ疲れます!
そんな丸1日面倒を見た友人を家に泊めるという事は、家でも休まる事はないという事です。
トイレの場所から寝る場所、夜喉乾いた時に飲む水、翌朝何を食べるかの確認などなど、やる事は結構あります。
更に相手は旅行ハイ状態!貴方にナビをしてもらったおかげで、貴方ほどは疲れていないですし、大概の人は聞きたい事がわんさかあります。
「街で見かけた○○は何だったんだ?」「テレビはどんな事が流れているんだ?」「電気代はどれくらいだ?」「家賃はいくらくらいだ?」もうとどまるところを知りません。
そんな時「ごめん!疲れてるからもう無理!」と断れれば良いですが、それが出来なさそうな相手の場合は、親切心を出そうとせずにホテルを予約するのが賢明です。
ハノイには日系のホテルが多数あります。そこを予約しておけば、日本語も通じますし、朝ご飯も付けてもらえますし、空港送迎などもあります。
疲れてイライラするよりもお互いの為にも、是非ホテル予約をご検討下さい!
ホテルであればお昼前に迎えに行ってランチから合流するなど、朝起きた時から一緒より大分リフレッシュ出来ます。
③待ち合わせ場所の確認
相手が到着したら、何処で待ち合わせるのか。
空港なのか、ホテルなのか、しっかり決めておきましょう。
ホテルの場合は、タクシーより多少割高ではありますが、空港送迎を頼んであげた方が良いと思います。
慣れていない人には、安全なタクシーかそうでないかの区別はつけにくいですし、遠回りされたら結果的に空港送迎の方が安くなる可能性もあります。
タクシーのメーターは下3桁のゼロが省かれていますが、それを理解していなかった私の友人は、50,000VND(≒250円)の支払いをドライバーに言われるがまま500,000VND(≒2,500円)払ってしまったりしていました。
④国際ローミング、Wi-fiの繋ぎ方を学んでもらう。
人によっては、スマホを海外でどうやって使ったら良いのかわからない人もいます。
合流してしまえば全く問題ないですが、それまでの間に万が一何か起きた際に連絡が取りあえるよう、不慣れな人には日本の携帯ショップなどに行ってもらってやり方を学んできてもらいましょう。
⑤相手の希望確認・ツアー申込み
相手に希望を聞いてプランを組んだり、内容によってはツアーを組みましょう。
ツアーを組む際、英語のツアーの方が安いですが、相手が日本語しかわからないのであれば、迷うことなく日本語のツアーを薦めましょう。
これは、前述した通り、旅行ハイで目に入るもの全部質問したい!状態になった際、日本語のツアーガイドさんに丸投げできるからです。
「あれは、何?」「これはどういう事?」という状態の人に英語で聞いた事を逐一通訳するのは結構しんどいです。
⑥ベトナムドンへの両替確認
まず初めにハノイ市内には、両替出来るお店はレートは良い店もあるけど非公認か、レートは悪いけど公認の銀行しかないという事を注意したうえで、日本の空港かノイバイ空港で両替してきてもらう様にお願いしましょう。
最近では、日本の空港の多くがベトナムドンの両替に対応しているようで、遊びに来た友人はそれぞれ成田空港、名古屋空港で両替をしてきたと言っていました。
ベトナムドンは桁が大きくて、金額をごまかされていても瞬時に判断するのは難しいので、日本の空港で両替してきてもらえるようお願いしています。
目安としては、2泊3日で2万円くらい両替(ホテル・ツアー代金含まず)しておけば十分足りると思います。
出発当日
出発確認、到着確認をもらおう
念のため、相手が日本を発つ時に連絡をもらいましょう。
また、待ち合わせ場所が空港以外の場合は、空港到着時に到着した旨をメールでもらうと安心です。
アテンド当日
何は無くても絶対「フォー」
「私あんまり食事に興味ないから~!」という人でも絶対に言い出すのが「フォー」。やはりベトナムと言えば「フォー」というイメージが強いようです。
どんなに「食べなくても良いよー」と言っている人でも鵜呑みにせず、絶対に食べる時間を作りましょう。
お土産の確認をしよう
よく言われるのが、最後の最後になって「コンビニでも良いからお土産買いたい!」という事です。
ご存知の通り、ハノイのコンビニは24時間営業ではありません。更にコンビニはまだまだ数がありません。
どんなお土産が必要なのかを確認し、お土産屋さんに連れて行った際に、「ここで買わなかったら、買えるところは無いよ!」など声掛けをしてあげましょう。
ちなみに筆者は、優柔不断で決められなさそうな人には「私からのお土産」として、スーパーで買ったインスタントのフォー、インスタントコーヒー、ドライマンゴーなどをあげる事にしています。
スーパーなので、大した金額にはならないですし、あとから「お土産買いたかった!!」と言われて慌てるより楽だからです。
トイレの場所を確認しよう
相手が女性の場合、トイレの確認は最重要項目です。
面倒でも、「ここで必ずトイレに行ってね、しばらくトイレは無いよ」など相手に声掛けをしてあげましょう。
また、ある程度「ここなら絶対トイレがある!」という目星を付けておく事も大事だと思います。
マッサージ休憩を入れよう
1日中相手の面倒を見ながら歩き回るのは大変です。マッサージをして疲れを取ると共に相手のケアを休憩する時間の確保は必要です。
時には別々の時間を作る
筆者の場合、旧市街で観光する際は、ハノイの土産店「Ajisai」に案内し、近くのカフェで待つようにしています。
日系のお店であれば、スタッフも日本語を話せるので相談できますし、一緒について回るより相手もゆっくり買い物出来ると思います。
「安南パーラー / an nam parlour」の場合は、カフェスペースがありますので、「友人をおいてカフェで待つのはちょっと」という方でも同じ店舗内なので安心です。
相手の要望を鵜呑みにしない
最初は、「なんでも良いよー」と言っていた人でも観光をしているうちに、「あれが欲しい!」「あれがしてみたい!」という希望が出てくることも多々あります。
もし、それが初日でまだまだ時間に余裕があるのであれば良いですが、相手が帰国する日の要望は、無理して聞かなくても良いと思っています。
一生に一度来るか来ないかのハノイで悔いを残してほしくない気持ちはありますが、親切でアテンドしているだけで、「義務」でも「ビジネス」でもありません。
ましてや、ハノイは日本ではありません。日本で簡単に出来る事が出来ないのがハノイです。
こうならない為にも筆者はある程度事前に「あとから言われても対応できないよ、ハノイは日本とは違うんだよ」と伝えるようにしています。
相手も大人です。ある程度の事は日本でも調べればわかった事です。それをきちんと調べなかったというのは相手の落ち度です。相手の希望を叶えられなくても、落ち込むことなく「仕方なかった!」と割り切って諦める事も大切です。
日本からハノイに遊びに来る人へ
今回色々とアテンドのコツを書きましたが、遊びに来る人にも「住んでいる友達に頼ろう!」ではなく、「出来ることは極力自分で頑張る!」という精神で来てほしいなと思います。
トイレが近い人ならせめて「トイレに行きたい!」というベトナム語を頑張って覚える。「どこでもいいから連れてって!」ではなく行きたい場所を調べて希望を早めに伝えるなどなど、それだけでアテンドする人の負担は大分減ります。
ハノイに遊びに来る人も、アテンドする人もどちらも楽しめるハノイ観光が出来ることを願っています。