ベトナム人同僚との闘いの日々!? 文化の違い、言葉の壁。

今回は、ベトナム人達と同等の立場、『同僚』として働いている筆者の体験談をお話し致します。

日本人(経営陣)、ベトナム人マネージャー、ベトナム人の同僚(先輩)、私という立場で入社

詳しい職種は言えませんが、ハノイにある日系の会社に現地採用として入社し、現在も働いています。

募集時の必須条件は、「英語」でした。理由は、同僚がほぼ全員留学経験者であり英語が話せる(日本語は話せない)ベトナム人しか働いていないからです。

同僚と英語で会話をして、日本人のケアをする。それが私に与えられた仕事でした。

ベトナム訛りの英語がわからない。

最初のうち一番苦労したのが、ベトナム語訛りの英語です。

相手が言っている事が全く分からないし、相手も私が言っている事を理解してくれない。

私の印象ですが、ベトナム人はあまり人に教えるのが得意ではない気がします。そんななか、更に言葉が上手く伝わらない外国人である私に対していつもイライラしていました。

年上だからって容赦なし!海外かぶれの同僚たち

ベトナム人は、完全なる年功序列で、バスなどに乗っても老人が乗ってきたらサッと立ち上がって席を譲るなど、年上に対して何はなくとも敬うところがあります。

しかし、私の同僚たちは海外慣れしているからなのか、私が後輩だからなのか、年上である私に全く敬意のある態度は示してくれませんでした。

Halca
ベトナム人の平均年齢は、20代半ば。そのため、同僚たちもほぼ全員20代。30代で入社した私は、上から数えた方が早いくらい年齢が上でした。
それでも全く相手にしてもらえません。

文化の違い

①「ホウレンソウ」はするな!

日本人の仕事の基本といえば、「報告・連絡・相談」ですよね?

しかし、ベトナム人はそうではありません。私が逐一それらを行っていたところベトナム人マネージャーに「忙しいのにいちいちうるさい!1人で責任持って仕事出来ないの!?なんでもかんでも相談、連絡してくるのは自分には責任ありません、という事と同じでしょ!」と言われました。

マネージャーからすると「ホウレンソウ」は自分で責任を持って仕事をしていないという風に捉えたようです。

Halca
・・・ベトナム人がホウレンソウもせずに勝手に仕事をやらかす理由はここにあるかもしれませんね。

文化の違い②「なんで聞かれていない事まで準備するの?」

日本人の場合、1つ問い合わせが来たら、その後のいろいろなパターンを想定して前もって今後の準備をしておきますよね?

1つ聞かれたら10の返答を準備するといった感じでしょうか。

しかし、それはベトナム人には通用しません。ベトナム人の先輩に10の質問を確認したところ「お客さんからも聞かれていない事をなんで準備するんだ?そんなことまた聞かれてから準備したら良いだろう?わざわざ無駄になるかもしれない事聞くな!」と言われてしまいました。

Halca
・・・目の前の事しか見えていないところがあるベトナム人らしい返事ですね。
ちなみに現在も私は変わらず10の返答を準備していますが、大体自分1人で解決出来るまでに成長しているので問題ありません。

大粒の涙が止まらなかった日。

泣く

ベトナム人の先輩の言っていることが上手く理解できない、文化の違いなのに怒られる。

そういう日々が続いたある日、ベトナム人の先輩が理不尽にイライラして説明を放棄しました。「私が悪いんじゃないのに!きちんと説明してくれないとわからないのに!」色々な思いが込み上げてきて日本語でやり取りすれば、直ぐにわかるような事が伝わらず出来損ないみたいな扱いをされるのが、悔しくて悔しくて気付けばボロボロと泣いていました。

それにビックリした同僚たちが心配してくれたのですが、涙は止まらずトイレに駆け込んで落ち着くまで泣いてしまいました。

席に戻ってみると私の机の上に、私が好きだと伝えていたお菓子が置いてありました。

ベトナム人の先輩からは「ごめんね」「大丈夫?」も何もありませんでしたが、慌ててそのお菓子を買いに行ってくれたようでした。

教え方下手だし、すぐイライラするベトナム人達ですが、根は優しいんだよな、と再認識して頑張ろうと思えた瞬間でした。

同僚による完全無視。

ハノイ歴3年で一番大きな出来事でした。

2週間後に退社することが決まっていた同僚Dが昼休憩時間を過ぎても、1時間程戻って来なかったのです。それもDの引き継ぎで入った新人君も連れて一緒に行った時の事でした。

戻ってきたDは、顔が真っ赤っか明らかにお酒を飲んでいました。1人で行くならまだしも(でもありませんが、)これから働いていく新人君が「昼休憩長くとっても良い、お酒飲んでも良い」と思ったら大変なので、Dの方が私よりも先輩でしたが、注意しました。

しかし、先輩としてのプライドなのか、後輩の前で怒られたのが気に食わなかったのか、あと2週間で辞めるのに大目に見てもらえなかったのが、気に障ったのか、その日から完全無視!

繋がっていたSNSはブロックされ、仕事で利用していたSkype(英語が上手く聞き取れない際にタイピングして確認しています)も友達解除。
何かお願いすると新人君に耳打ちして、新人君が返事をするという状態でした。

更には仕事中大声で私の悪口。ベトナム語だったのですが、ところどころわかる単語や私の名前などで、ベトナム語が理解できない私にも悪口を言われている事は理解できました。

送別会に呼んでもらえない。

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ベトナムでは、送別会は辞める人が開催して、ご飯をおごるのが一般的です。

前述したDですが、私以外の全員を呼んで送別会を行っていることが、別の同僚のSNSを通して知りました。

家でたまたま、携帯を開いたらタイムラインに流れてきて、物凄く悲しくなりました。

後日、ベトナム人マネージャーに「私だけ誘わないなんて子供じみている!」と訴えたのですが、送別会は辞める人が呼びたい人を呼ぶ会であり、マネージャーにもどうする事も出来なかったようです。

Halca
ちなみにこのD氏、最近同僚の結婚式で久しぶりに再会しました。明らかにからかい半分の誠意のない態度で握手を求めてきました。

私は大人ですので、苦笑いしながら握手をしました。Dがやった事はベトナム人の中でも特別酷いとは思いますが、ベトナム人のこういう子供じみた行動はハノイに何年住んでも全く持って好きになれません。

ジャパニーズブランドって何?全く効力無し

ハノイ在住日本人たちからよく聞くのが、「日本人」というだけでちやほやしてもらえる。

ベトナム人の飲み会に参加すると喜ばれる。ベトナム人の結婚式に参加したら、次から次へと知らない人が会いに来てお酒をついでくれる。まるで有名人になったかのように喜ばれる。

・・・私は、そんな事全くありません(涙)私の同僚たちは、良くも悪くも外国人慣れしてお金持ちの子が多いので、『日本人』だからという理由でちやほやされる事は一切無いです。

もう少し日本人パワーが使えると楽なのになと思う時はよくあります。

同じ立場の人がいなくて、気持ちをわかってもらえない。

落ち込む

ハノイ在住日本人で働いている人のほとんどは、ベトナム人の上に立つ管理者としてハノイに来ています。

その為、私が上記のような悩みを打ち明けても「クビにすれば良いだけだから君の立場は全くわからないな」と理解されなかったり、「また同じような事で悩んでるの?いい加減にしたら」と突き放された事もありました。まだハノイに来たばかりで、あまり親しい関係を築けていなかったのもあるかもしれません。

日本に住んでいる友達は、心配してくれましたが、ベトナムという国の事もベトナム人もよくわからないので、私の話を聞いて慰めてくれましたが、いくら話しても解決策は見出せませんでした。

あまりにも同意が得られず、「私がおかしいのかな?」「ベトナム合ってないのかな?」と悩んだことも何度もありますが、3年経って信頼できる友達が出来、同僚たちの事を相談するとやっぱりわが社の同僚たちはかなり特殊で難しいみたいです(笑)。

でも、今は話を聞いてくれる人がいる。それだけでも大分楽になっています。

ハノイの魅力?何があっても日本に帰りたいとは思わなかった。

改めて思い返してみると本当に色々な事があったなー、よく日本に帰りたいと思わなかったよなーと思います。

なんで帰ろうと思わなかったか、真剣に考えてみました。

一番の理由は、私の勤めている会社の『福利厚生』がしっかりしているからです。

ベトナム人の魅力・・・とかじゃないです、すみません。あまり美しい回答ではないですね(笑)

同僚とのいざこざは色々ありますが、現地採用でもきちんと生活出来るお給料、家賃補助・保険補助、年に1度の帰国費用などなど福利厚生はかなりしっかりしています。

もし辛い事があって、「もう頑張れない」と思ったとき給料面でもあまり良くないようでしたら、サッサと切り上げて無理しないのも選択肢の1つだと思います。

Halca
余談ですが、私がアジア圏での就職を考えていた時に、シンガポール・マレーシア・ベトナムの3か国で就職活動をしていました。その中で群を抜いて福利厚生がしっかりしていたのが、ベトナムの求人だったんです。

あっという間に総入れ替え?

笑う

さて、色々あった3年間。

現在どんな状況かと言いますと、どんどんベトナム人達が辞めていって先輩しかいなかった職場で現在、私『在職歴ナンバー3』となっております。(経営陣含まず)

仕事が合わずに辞めていく人はもちろん、結婚・出産など様々な理由で同僚たちが入れ替わりました。

ほとんどが後輩となり、無駄なプライドで先輩風吹かせるベトナム人もいなくなったので、かなり楽になりました。(相変わらず年上なのに敬ってはもらえませんが(笑))

また、3年間の間で、ベトナム訛りの英語が聞き取れるようになったり、誰にも頼らず1人で出来る仕事が増えたりと成長できたのもあると思います。

スタッフが辞める事についてですが、最近読んだ記事で、「ベトナム人スタッフが辞めてくれたおかげで、もっと良いベトナム人スタッフを雇う事が出来た。結果的に辞めてもらえて良かった。」と書いていました。

私もそう思います。正直辞めていった人のほとんどが、「辞めてくれて良かった」と思う様な質の子ばかりで、「辞めないでほしかった!」と未だに思い出すのは、たった1人です。

雇う側としては、せっかく育てたスタッフが辞めるのは辛いかもしれませんが、もっと良いスタッフを雇うチャンスと思って前向きに捉えるのが良いと思います。

割り切る。

3年経った今、スタッフの入れ替わりで風通しが良くなったのはありますが、前のスタッフがミスっていた事を同じようにミスし、失敗は無限ループの様で辛いです。

『Google翻訳を使って翻訳した日本語で勝手に日本人向けの広告を作る。』『文字のサイズが合ってないままメールを送る。』『片方だけ線の無いグラフを送る。』などなど注意しなくてもよく考えればわかるでしょ?という様な事を日々繰り広げて私を悩ませます。

日本人が神経質すぎるというのもあるかもしれませんが、ベトナム人の適当さにはいつもイライラさせられます。

いくら注意しても直る頃には辞めてしまって、また新しい子が同じような事をする・・・気が滅入ってしまいますが、ある程度の事は大目に見て割り切ると随分と気が楽になりました。

人間関係についても、入社当初は色々と悩んでいましたが、1年を経過した頃ベトナム人達の入れ替わりの激しさから考えがガラッと変わりました。日本人同士の様に仕事が円滑に進むよう無理して交流をしなくても、仕事が合わない子はドンドン辞めていきます。

気軽な気持ちでベトナム人達と付き合った方が、人間関係も悩まずに済みます。


いかがでしたか?
ハノイ歴3年、最近私が昔したように新しくハノイに来た人から悩みを相談されることも多くなりました。

そんな時、私の体験談を話すと相談してくれた友人の表情が晴れて「やっぱり、そういう事ありますよね!」とスーッと気が楽になっているのが見ていてわかる時があります。

私が3年前辛くても相談できる相手が居なかったので、今もし同じような事で悩んでいる人がいるとしたら、少しでも参考になれば良いなと思って今回記事にしました。

この記事を書いた日、同僚達がお昼ご飯の注文をする際に声をかけてくれて、一緒にご飯を食べました。入社当初は考えられなかったことです。

同僚達だけ注文して、ベトナム語で会話されて、仲間外れにされている様な気分になりました。

それが今、一緒にご飯を頼んでくれる同僚達がいる、相変わらずベトナム語喋ってるけど、「何話してるの?」と会話に混ざれる自分がいる、辛くて直ぐに辞めていたら、今の関係性になれた事を一生知らずに終わっていたと思うと続けて良かったなと思います。

ハノイ在住の皆さん、色々ありますがお互い頑張りましょうね!



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ABOUTこの記事をかいた人

宮城県仙台市出身。2013年6月からベトナム・ハノイ在住。 ベトナム在住そして、独身女性だからこそ書ける記事を提供できるよう日々奔走中。自称ハノイ美容マニア。趣味である各国の「民族衣装」撮影時にベストなコンディションで臨めるよう、日々新しい美容方法を試している。 本人はしっかりしているつもりなのに、度々変な事に巻き込まれる。地元の後輩からは『生きるコントby大宮エリー』と言われている。