なごみデンタルクリニック 中川翔太先生インタビュー後編

2022年03月01日追記
日本人歯科医師中川翔太先生は、既に退任されております。新しい先生については以下をご確認ください。(外部サイト)
【ハノイ】「なごみデンタルクリニック」 日系デンタルクリニック 日本人歯科医師が着任
昨日に引き続き、本日もなごみデンタルクリニック中川先生のインタビューをお届けいたします。
まだ前編を読んでいない方は↓からどうぞ!

なごみデンタルクリニック 中川翔太先生インタビュー前編


今回は、クリニックに関する内容の他にプライベートについてもお伺いしました。

なごみデンタルクリニック 中川翔太先生インタビュー

Halca
診療内容で特に力を入れている内容はなんですか?
中川先生
すべてに置いて真剣に取り組んでいますが、特に歯周病治療だと思っています。

歯周病についてはよく分からずにいる患者さんもかなりいると思います。そういう”わかりにくいもの”をちゃんと検査して、リスクを見える化したうえで、しっかりと治療も受けられるという医院体制を整えています。

歯周病で無くなった骨を再生する・歯肉を移植するということも当院では行なっています。このような治療は、どこの歯医者さんでも受けられるわけじゃないんです。

歯周病は治らない病気ではありません。
当院では劇的に症状が改善する患者さんが数多くおられます。

Halca
そうなんですね!
中川先生
加えてすべての治療のクオリティを上げる為に高倍率の拡大鏡(ルーペ)を使用しています。

肉眼では見えない領域までも見えるので、根っこの治療や虫歯を治療するにもすごく精度が上がりましたね。取り残しをしなくなるので予後が明らかに変わります。

「見えるものしか治療できない」というのは歯科医の世界でよく言われる言葉です。見えるものが変わると全然やることが変わるんだなっていうのを実感しています。毎日楽しいですよ(笑)

ハノイでは、1人にかけられる時間がすごく長いので、ちゃんとした治療ができることが良いところですね。

拡大鏡を装着している中川先生の様子


Halca
それは楽しそうですね!

なんか歯医者さんによって「虫歯1本も無いですよ~」って言われたり、「結構たくさんあるから直した方がいいですよ!」みたいに言われるのは、見えている・見えていないとかもあるんですか?

中川先生
それもあると思います。あとは、虫歯も、「どこまでを治療する虫歯」とするかという基準が世界的にあるわけじゃないんですよね。

ただ現在は歯の表面に出来ている小さな虫歯は、「削らない」ようになってきています。ちゃんと定期的にフッ素を塗ったり、食生活の改善ができればそれ以上虫歯を進行させることなく管理していけると考えられているんですね。

昔は黒くなっていれば「削りましょう」という傾向がありました。でもやっぱり削らない方がいいんですよ。削ることで歯は崩壊の道を歩みはじめます。

削る、削らないの基準は難しいところですが自分の中では納得のいく線をもって私は診療に当たっていますね。

Halca
そうだったんですね! 結構歯医者さんによって言うことが違って誰を信じたらいいかみたいなことが……。
中川先生
あーめっちゃわかります(笑)それすごく言われるんですよね。

ですので、治療計画をしっかり説明することから治療をはじめています。

お口の中の写真を撮らせてもらって、それを一緒に見ながら説明して治療に入るようにしているんですね。自分の口の中の写真って、見たことない方が多いので「こんな風に説明してもらうのは初めてです」と言われることも多いです。

さすがに虫歯一本の治療で終わる方にはそこまではしませんが、治療期間が長くなる方には必ず行なっています。モチベーションを保つのにも良いし、分りやすいし、何よりぼくら歯科医側が嘘をつけないっていうのがありますよね。

しっかりとコミュニケーションをとって信頼関係を作るのには、この方法は良い方法だと思っています。数年に及ぶ治療をされている方も沢山おられますので、半年に1回ぐらいは「いまこんな感じになってきてます。」っていうことを説明しなおしたりしていますね。

Halca
そうしてもらえると良いですね。

前に私の妹が何回「奥歯が痛い!」って言っても行ってる歯医者さんで「なんでもない」って言われて、別の歯医者さんに行ったら虫歯だったみたいなことがあったので、写真で見せてもらえると安心できます。

歯医者さんの目で見て「なんでもない」って言われて、でもずっと痛くてみたいなのだと信頼が……。

中川先生
そうなんですよ。歯科医も万能じゃないので診断が100%合うっていうのは難しいと思うんです。
だからこそ、精度を上げるために写真を撮ることは重要ですよね。

写真に撮っておけばもうどこでも状態を確認できるので資料をスタッフと共有したり、治療計画をスタッフみんなに説明したり。
これはすごい大事にしてるところですね。

資料をまとめるのに、診療外の時間がすごいかかるんですが、ちゃんとした治療をするためなので易きにながされずに続けたいと思っています。

Halca
ありがたいです。
中川先生
いやいや(笑)
こだわってますねここは。
Halca
ハノイだからこそ1人1人長く見てもらえると思うと逆にお得な気がしてきました!

続いて、ベトナム人スタッフとの接し方で気をつけていることはありますか?

中川先生
これほんとに私はあんまり無くて「ベトナム人だからこうしよう」っていう接し方はあんまりやっていないんですね。

旅をしている時もそうなんですけど、「出会う人とフラットにいよう」といつも思っているので、あんまり上司っぽい振る舞いとかもやってないと思いますね。

ただ治療中になると言いたいことは全部言います。ナースの子達も僕に言いたいことは言いますよ。

治療方針や医院運営のことで考えが違うこともあります。提案されることもありますし。でもそれで良いと思っていて、その中でしっかり話すことが大切かなと。

ベトナムが遅れているとか日本が進んでいるとか、そういう事でなくて考え方のギャップをどれだけ埋めていけるか。

自分が何をやっているかっていうことをちゃんと伝えるようにはしていますね。やっぱり患者さんと日本語を喋っていても、彼女らは横でベトナム語と英語しかわからないので、「この患者さんはこういうことだよ」っていうのを、当然ですけどもちゃんと伝えるようにしています。

Halca
そうなんですね!

ミャンマー難民を治療するメータオクリニックでの一枚(写真提供:中川先生)

Halca
続いてプライベートについて、ハノイ生活で楽しんでいることや趣味などはありますか?
中川先生
僕は剣道が好きで。大学から始めたので、今で14年ぐらいになるんですけど、ハノイでも継続して楽しんでいます!
Halca
ハノイで剣道が出来るんですか!?
中川先生
そうなんですよ。むしろハノイの方が稽古ができる環境が整っていて、なんかおかしいですよね(笑)

日本だと仕事が終わってから稽古に行ける所ってあんまり無いんですよ。

そうなると頻繁には稽古に行けなくてなかなか伸び悩んでいたんですけど、こっちに来てからは、仕事が終わってから韓国人やベトナム人、様々な国籍の人が混ざって一緒に練習する機会に恵まれました。

みんなすごく熱心で、良い仲間に巡り会えましたね。だから楽しくやっています。稽古後にみんなで飲みに行ったりもします。
稽古の後のビールは最高です。

剣道後の写真(写真提供:中川先生)

Halca
日本人だけの集まりではないんですね! こっちで道具とか手に入るんですか?
中川先生
入るんです。
メイドインベトナムですけど、だいたい5万円ぐらいで全部揃います。
Halca
へ~、全然知らなかったです。
中川先生
安いです。
ハノイに工場があって、今度小手が壊れたので直しに行くんですけど、そこに持って行くと修理も可能なようです。

中国、韓国、日本に輸出もされているようですね。結構良質です。普通に使っていて困ることはないですね。

ベトナム人もみんな熱心で、強いですよ! 切磋琢磨しています。

Halca
ベトナムの方も「めーん!」って言うんですか?
中川先生
言いますよ(笑)。
なんかイメージされるような、よくYouTubeとかで上がってる”トンデモ剣道”とかじゃないですよ。

元々日本人の駐在員達の中で剣道をされていた方が教えたりして始まったもので、東南アジアの中でも剣道のつながりができてるので盛り上がってきてますね。ベトナム人は特に熱心だと思います。

週6とかで練習してる子もいます。僕は週1~2回なので、そんなにやらないですけど。

Halca
週に1~2回でも十分凄いです! 他には何かありますか?
中川先生
あとはアートに触れるのが好きなので。日本にいた時も身の回りに表現をする人が多かったんですね。

医療関係の友達よりもそういう人の方が多かったので、有名・無名を問わず絵とか芝居とかを観に行くのは好きですね。
ハノイは、あんまりないんですけどね。

Halca
そうですね……。
中川先生
探せば結構あるみたいで、もっと探していきたいと思うんですけど。
この前は、日in越アート展*にも出展しましたよ!

*JCCIスポーツ文化委員会主催「日in越アート展」

Halca
え~! 多才ですね!
中川先生
僕はそんなにアーティストって訳じゃないのでアレですけど、ただなんかたまに作ったりとかは好きですね。作品制作とかもしていますね。文章を書く事も大好きです。

日本では歯医者以外のこともいっぱいやっていて、シェアハウス作ったりとか、お店を作ったりとかもやってたんですけど。こっちに来てからは方が家族との時間を大事にしています。

Halca
そうなんですか!?
ベトナムに来てから本業以外のことを始めたという話は、よく聞きますが、その逆は初めて聞きました(笑)。
中川先生
ハノイに来てからは、歯科に没頭して(笑)。

日本にいるときはいろいろやることがあって、交流範囲も向こうのほうが広かった気がします。まぁでもそれは時間の使い方ですかね。
Halca
そうなんですね!

続いて逆にハノイ生活で苦労してたり悩んでたりすることはありますか?

中川先生
これ考えたんですけどね、あんまり無いんですよね。
ありますか?
Halca
うーん……、空気が汚いとか?
中川先生
あ~それはそうか。空気だけ(笑)。

空気が悪いってことはたしかにあるけど苦労してるって程でもないしそんなに気になってないですね。

元々いろいろ渡り歩いてたので、むしろ発展してるなって思いますよ。

ラダック地方の子どもたちと(写真提供:中川先生)

中川先生
ボランティアの現場だとインドの5,000メートル級の山をジープでみんなで越えて、そういう村に行ってボランティアするとかそういう場面もありました。

トイレとかがまず吹きざらしで、崖の下に落とすみたいになってるような場所だったので…。だからハノイの生活はあんまり苦労してません。食べ物もなんでも手に入るし、日本食美味しいですしね。

Halca
そうですね。
中川先生
なんでも美味しくて、ハノイの日本食レベル高いなぁって思いますね。
Halca
確かにどこも美味しいですよね。

お子さまの教育のことで苦労するとかもないですか? 幼稚園探しとか学校探しとか。

中川先生
あ、最初少しだけありましたね。でもまだ2歳なんで、幼稚園なんですよ。

なんで家から一番近いところのインターナショナルに入れてるんですけど、日本語ちゃんと覚えてくれるかなーとかそういった不安はありますけどね。でも楽しそうに通っているので。

Halca
それが一番ですね!
中川先生
そうですね。
子どもの成長はすごい楽しいですね。今はそれが一番楽しいことです。

もともと不確実なものとか予想できないものが好きなので、そう言う意味では医療もすごい面白いんですよ。全部違うじゃないですか。

反応も毎回違うし。子どもも1日1日全然違うものを見せてくれるので、すごい楽しいですね。

Halca
じゃあ、お子さまとの時間がハノイでできてよかったですね。
中川先生
まさにそうですね!
そういう意味でも来て良かったです。
Halca
もっといろいろとお聞きしたかったのですが、残念ながらお時間となってしまいました。

最後に何か一言お願いします!

中川先生
僕はあんまり医者と患者さんとして接する感じじゃないと思うので、割と普通に、なんていうんでしょうね。フラットな目線で向き合っていると思うので、気軽に来て欲しいですね。

Nagomiクリニックは、結構外観が派手で……

Halca
ゴージャスですよね!
中川先生
ゴージャスなんで、来にくいと思うんですけど、割とフレンドリーな感じなんですよ、実は中に入ると!

気取った場所でもないので、少しでも悩みがあれば気軽に来てほしいです。費用はかかったとしても、それに見合った治療内容を提供できるように日々精進しています。

Halca
今日のお話を聞いたら、費用についてもご納得いただけると思います!
中川先生、今日はありがとうございました!

なごみデンタルクリニック紹介動画

ゴージャスななごみデンタルクリニックさんの様子は、下記動画でご覧ください。

クリニック情報

なごみデンタルクリニック
2F,Indochina Plaza Hanoi.,241 Xuân Thủy,Dịch Vọng Hậu, Cầu Giấy,Hà Nội (インドシナプラザハノイ 2階)
電話:024-3795-4261
日本語直通 0904768018
Homepage:http://www.nagomidental.com/
Facebook:https://www.facebook.com/nagomidental/

診療時間

月曜
9:00~13:00
14:00~18:00
火曜
13:00~20:00
水曜
9:00~13:00
14:00~18:00
金曜
9:00~13:00
14:00~20:00
土曜
8:30~12:00
13:00~17:00
日曜
8:30~12:00

休診日

火曜(午前)
木曜
日曜(午後)

(Special thanks!:Metくん



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ABOUTこの記事をかいた人

宮城県仙台市出身。2013年6月からベトナム・ハノイ在住。 ベトナム在住そして、独身女性だからこそ書ける記事を提供できるよう日々奔走中。自称ハノイ美容マニア。趣味である各国の「民族衣装」撮影時にベストなコンディションで臨めるよう、日々新しい美容方法を試している。 本人はしっかりしているつもりなのに、度々変な事に巻き込まれる。地元の後輩からは『生きるコントby大宮エリー』と言われている。