ベトナムの日本語無料週刊誌『週刊ベッター』野田さんインタビュー

本日は、筆者憧れの大人の女性『週刊ベッター』野田恵里子さんのインタビューをお届けいたします。
仕事に趣味に人生に!? 日々情熱を持って取り組む印象の野田さんに少しでも近づけるよう色々と秘密を探ってきました!

野田さんプロフィール

まず初めに野田さんのプロフィールからご紹介いたします。

野田恵里子さん
出身地:愛知県
職歴:
1992~2017年までリクルート及びリクルートグループ会社にて25年間勤務
リクルート時代は求人広告の営業とパートナー代理店の経営渉外などを担当。
はじめての転職がVetter。現在Vetterでは営業部長。

趣味は多岐に渡り、DJ、WorkOut、美術鑑賞
日本では10年間HouseDanceイベントでDJ、その後渋谷界隈のBarでDJ。
ハノイでは、DJ活動はそこそこに、オーガナイズをメインに活動。
日越+αのダンサーショーケースイベント、Viet+Nhat Danceなどをオーガナイズする。
6月には、日本から有名なDJユニットとアーティストを呼び、ハノイ2days,ホーチミン1dayPartyのオーガナイズをしている。

Halca
よろしくお願いいたします。
野田さん
よろしくお願いいたします。
Halca
早速ですが、日本での25年間というキャリアを終えてハノイでの就職を選んだ理由は何ですか?
野田さん
私ハノイもベトナムもそんなに馴染みがなくて、実はハノイも人生で一度も来たことがなかったんです。

ホーチミンには20年前に1回しか来たことなく、当時はまだ全然街も整備されてなくて、良い印象が全くありませんでした。海外で働きたいとか、ベトナムでっていうこだわりは全然無かったんですね。

私が前いた会社って、四半期(Q)制度だったので、25年でちょうど100Qだったんです。

100Qになるから、区切りも良いしそこで辞めようかなとはぼんやり思っていて、辞めた後に何をしようかと考えた時に、じゃあ残りの人生また0からリセットしてやりたいと思って。

それで、当時はずっとマネジメントを行っていたので、そうじゃなくて本当に0からやりたいみたいに思ったんです。

ただ、日本で45歳の女性が「新規営業やりたいです」って言ったってそんなの雇ってくれないしとなったときに、たまたま前のVetterの社長が同僚で、すごい楽しそうに働いてるのをみて、旅行がてらベトナムに遊びに行ったんです。

そしたらVetterでは、当時新規営業を営業経験の少ない新人だけにやらせてるっていうから、それならベテランの私がやった方が売り上げが上がるでしょ! っていうような感じで、自分を売り込みました。

なので、転職活動を始めてから1社しか受けていないんです。

ただ、当然Vetterの前社長もオーナーも、「年齢もあるし、リスクが高すぎるから辞めた方が良い!」っていう風に助言してくれて、なのでVetterに引き抜かれたとかは無くて、私から熱烈アプローチして入社した感じです。

それがたまたまベトナムだったという感じです。

Halca
それぐらい新規営業をやりたかったんですか?
野田さん
新規営業というか、前職では自分自身の「現場感」がなくなっているように感じていて、現場の人たちとの乖離があると感じることがありました。

私は営業が好きなので、営業やるなら、伸びている市場とか国でやりたいと思った時にベトナムに遊びに来て、すごいパワーを感じたんです。

何かタイムマシンでね、昔に来たのに、Wi−Fiとかは整備されてる不思議な感覚だから、これはやれるんじゃないかなと思って来た感じですね。

Halca
なるほど。実際にハノイに来てみていかがでしたか?
野田さん
私は、周りから結構前向きに見られたりとか、いつも元気と思われるんですけど、最初の1年は本当に1人だし、心折れるし、体壊すしで、帰りたいばっかりだったんですよね。

でも、何か「せっかく来たし!」みたいな気持ちもあって、何度か心が折れ切っちゃったりはしたんですけど、食らいついていました。

Halca
心が折れ切っても帰らないって凄いですね。その何かがあったんですか?
野田さん
前の会社を辞めたことに後悔したことは1回もなかったんですけど、今ベトナムから日本に戻ってしまったらって考えたんです。

伸びている市場に来てるっていうことは否定できないことなのに、1年もいないうちに辞めちゃうのかな? 帰るのかな? って思ったら自分の中でどうしても折り合いがつかなくて、何度も「今度我慢できなくなったらやめよう」、今度!、今度! っていう風に自分の中で言い聞かせているうちに、1年経って慣れたっていう感じです(笑)。

なので、最初の1年は楽しめるとかっていう感じではなくて、でもベトナムの人たちが涙出るくらい本当に優しくて、すごい助けられたなっていう感じはありました。

ベトナムの文化とか歴史とか、考え方とか、ちょっと何か昭和っぽいところがあったりとかっていうのはどんどん気に入っていってなんとかって感じでしたね。

周囲の日本人の方々もすごい優しくて、日本人同士のコミュニティは狭いのだけど、それだけに状況を理解してくださった方は多かったですね。

Halca
なるほど。ありがとうございます。

野田さんがVetterに入ってから新しい取り組みが始まったり、雑誌の雰囲気がとてもよくなった気がするんですが、仕事への向き合い方でこだわってることや信念はありますか?

野田さん
いえ、私の力では決してありませんよ。

今のVetterは全員野球。誰かひとりのエースがつくっているわけではないんです。

今のVetterって今日入社したばかりの人も、私みたいな広告業界に何年もいる人も、対等に意見を出し合える雰囲気なんです。

「何かこういうのやりたい!」とかっていう話に対しても、「え、それ面白い?」みたいな事が、若手メンバーから返ってきたり、すごい突っ込みが入る風土なので、色んな価値観の人がVetterに増えたことで、ブラッシュアップしたのかなっていう感じはしています。

Halca
そうなんですね!
野田さん
私が心掛けていること、というと。

商品つくりでは、前職で教えられた不満、不便など「不の解消」とそれに加えて「快の追求」を大事にしています。

例えば、レストランガイドブックは日々駐在員の友人たちから私のもとに届くメッセージからヒントを得ました。

「日本から社長が来るんだけど、個室で予算はいくらで・・・」みたいなお店選びを依頼されることが多かったんです。

フロー情報として新しい情報をVetterでは届けられるけど、ストック情報として、選択できるものがなく困ってる、そう感じて別冊をつくりました。

Vetterが最近、Facebookサポートや多言語対応をWEBでやり始めたのも、やはりヒントはお客様からのお声なんですよね。

Halca
ありがたいです。
野田さん
私自身もそうだし、部下にもだけど、仕事に関しては、労働時間と成果は正比例しないと思っているので、無理に残業することとかは推奨していません。

むしろ早めに効率よく仕事を切り上げて、会社の人以外の価値感に触れて欲しいと考えているんです。

あと、現地採用だとどうしても何となく立ち位置が見えづらくなって、自分の市場価値がどれくらいなのか分かんなくなっちゃったり、甘えも出てきてしまう。

だから「もっと自分頑張らなきゃいけない!」って思えるには、色んな人に合った方が良くて、そういうのはすごく大事にしています。

Halca
野田さんも、部下の方も伸び伸びとしていますよね!
野田さん
伸び伸びしすぎですよね(笑)。
Halca
良いと思います。

【旅ログ】ベトナム独立の聖地 ディエンビエンフーを訪ねる

野田さんの部下、旅好き営業マン『カマタ』さんが活き活きと活躍する「旅ログ」

Halca
次の質問です。

せっかくハノイに出てきたのに、いまいち自分の力を発揮できずにくすぶっている20代、30代の方も多いと思うのですが、そういう方に向けて何かアドバイスをいただけませんか?

野田さん
私も、偉そうに言える立場ではないんですけど、想像するにくすぶっている人達って、何か他人と自分をすごい比べちゃってたりとか、「海外に出たからこういう風に生活しなきゃ!」みたいなものがすごい強い人だと思うんですよね。

海外だから、日本人とは付き合わないとか、欧米人だけとしか付き合わないとか、そうやって自分に制限をかけてしまうと、ハノイの楽しい情報なんかも入って来づらくなってきちゃうから、オープンにしてた方がいいんじゃないかなと思います。

あとは、他の人が楽しそうにやってることを別に無理して自分も合わせる必要は無いと思います。ハノイの日本人コミュニティーは小さいので、逆に「これやりたい!」とか「これが好き!」ってSNSでも何でも、声出して言うと意外と同じ思考の人が集まって楽しくなると思います。

Halca
そうですね!
野田さん
そうそう! 私もどっちかっていうとオタクなんですけど、こだわりの強いマニアックなコミュニティにも所属していますよ。

私は参加していないんですけど、何か読書だけをする会みたいなのがあったり、「こういうのやりたい!」って口にして言うだけで、結構直ぐに人が集まるんですよ!

日本では共通点があっても、仲間内でかたまってしまうことも多いんですけど、ハノイの場合はそういうのも無いので、色んな人と話してみて気の合う人を見つけてというのが良いのかなって思います。

なので、枠を決めずに本当に好きとか、心地良いと思うことをまずは行ってみてほしいです。

Halca
私もそう思います。

日本でDJを行っていた時の野田さん

Halca
続いて、日本でもハノイでも、比較的忙しい仕事に就かれていると思うんですが、趣味を楽しむ原動力はどこにあるんですか?
野田さん
プライベートでは一切無理しないし、別に誰にも合わせないっていうのは決めているので(笑)、なので疲れないので、楽しめるっていうのはあります。

私は、「知らないことを知りたい!」っていう欲が凄く強いので、DJもサーフィンも釣りも、全部やったことないっていうことで始めました。

なので、何か極めたいとかはあんまりなくて、知らないことを知れるから楽しいみたいなので、自分であちこち行ったりとかしていますね。

それは日本でもベトナムでも変わらないです。

Halca
「人に合わせない!」と自分で決めても、人の目とか気になっちゃう人とかもいると思うんですけど、それはどうですか?
野田さん
確かにね。

どうなんだろう。私多分昔から見た目とかもそうだと思うんだけど、多分ちょっと意地悪そうだから(笑)。

Halca
そんなことないですよ。
野田さん
だからどっちかっていうとね「私のことを嫌いな人の方が多いだろう」って自覚をしているんです。

だから、何か逆に自由でやってて、私のことを好きな人と一緒にいた方が楽しいし、そっちの方が深くみんなと付き合えるかなと思います。

こっちから選ぶとか、好き嫌いを分けるとかはしなくて、素の自分のままで、それを気に入るかどうかは相手次第。

だから、今の恰好からは想像できないと思いますけど、新日本プロレスのTシャツ来て飲みに行ったり、心地いいなと思う人達と付き合っている感じですね。

Halca
なるほど。勉強になります。
野田さん
全然全然。そんな。
Halca
ハノイに来てからは、オーガナイズを積極的に行おうとしているとお伺いしたんですけど、その理由は何ですか?
野田さん
元々名古屋で10年ぐらいDJとして、ダンスのイベントに携わっていたり、あとは東京でもDJをやらせてもらっていたんですけど、やはりプロや極めている人とは違う。

幸いにもプロの方が周りいたので、そう感じることはよくありましたね。私が楽しいと思えるものって、名古屋のダンスのイベント経験が大きくて、その場の多幸感、みんなが笑ってる状態だったんですよね。

ベトナムで、中途半端にDJを私がやるよりは、場を作って、例えばベトナム人ダンサーの子がすごくイキイキ踊れるとか、日本人DJがどんどんチャレンジできるようなイベントが作れたら、私楽しいなと思うようになったんです。そんな想いに賛同してくれるDJの友人たちのおかげで実現できました。

これからもイベントについて発信していきたいし、ベトナムは音楽もダンスもそうだけど、まだまだ分野は狭くて、その中で固まっちゃってるみたいなローカルの子達に、もっとこんなすごいダンスがする人がいる、こんな良い音楽があるっていうのは届けたいなって思っています。

他にも何か思いついたら違うイベントとかもやりたいですね!

Halca
楽しみです。
野田さん
思ってますけど。分かんないですね。気分屋なんで(笑)。

ハノイで野田さんがオーガナイザーしたVietNhatDanceイベントの様子

Halca
野田さん流ハノイの楽しみ方みたいなのがあれば教えてください。
野田さん
ハノイ生活が、楽しくなってきてからは、ローカルな食とか文化とか……、ハノイのストリートの名前だけでも色んな伝説があったりするので、そういうのを知れるのが面白いですね。

京都や奈良とはちょっと違うんですけど、文化的な背景を知ると興味が増しますよね。

あとはVetterの「旅ログ」とかもそうですけど、まだまだ知らない楽しいスポットがいっぱいあるなっていうのは思いますね。

Halca
確かに、暮らしている街について知れば知るほど魅力が増していきますよね!
他にはなにかありますか?
野田さん
ハノイもだんだんと発展してきたので、便利にはなって来ましたが、それでも日本と比べると不便な所っていっぱい目につくじゃないですか。

「これもっとこうしたらいいのに」みたいなところは、それがビジネスチャンスに繋がっていくので、「これちょっとやろうよ!」みたいになるのも面白いです。

私は今、報酬を受けられる程関われてはいませんが、オフタイムを利用して、友人と1個会社を作って、運営を行っています。

「こういう風にやってみよう」とか「こんな風があるんだったらこれビジネスにできるんじゃない」みたいなことを日々話し合っているので、マネタイズできることは、ゴロゴロ落ちていますし、そういう目でハノイ生活を見ると色々やれることはあって、面白いですよね。

ビジネスに一歩踏み出す事が難しい人でも、想像するだけでも楽しいかなって思います。

Halca
ありがとうございます。今後のビジョンがあれば教えてください。
野田さん
Vetterでは次々と可能性が広がっていて、紙媒体だけじゃなくてwebも、新商品を起案されてからリリースするまでの期間がすごく短いし、どんどん皆のやりたいが溢れています。

なので当面はVetterで「最強の営業組織」と強い媒体を作りたいな、愛される媒体を作りたいなって思っています。

個人的には、25年間1社で勤務してきたので、これからはいわゆるキャリアドリフトで行きたいなと思っています。

目の前に来たボールはもちろん、自分でボールを取りに行って、仕事にしたいです。

軸としては、営業組織づくりとアジア各国の女性をキレイに元気にする仕事ができたら良いな、と思っています。

私の持っているリソースが新しくビジネスを生んでいければ良いな、と思っているので、面白そうなことがあったら、別にベトナムじゃなくても、どこでも行けるような感覚で挑戦していきたいです。

日本から1回出たら、どこの国でも行けちゃうみたいに思うと思うんですけど。何かそんな感じで緩く考えています。

Halca
オォー!!!

Vetterへの愛が溢れている野田さん

Halca
最後に何か一言言いたいことがあれば。
野田さん
私は、Vetterがすごい大好きです。本当にまだまだやれること、やりたいことが溢れすぎて、進化が止められない感じです。

ただ、いつも「Vetterのことを潰すには?」とVetterに足りていないこと=やるべきことを考えていて、盲目に好きになり過ぎないようにはしています。

俯瞰して見ることで、新しいアイディアとかが生まれてくることもあるので、是非「Vetter最近こうなんじゃない?」とか、色んな意見を聞かせて欲しいですね。

Halca
ありがとうございます!

今後の人生のヒントとなる様々なお話を聞くことが出来ました。
野田さんありがとうございました!

週刊ベッター[Weekly Vetter]ベトナム最大発行部数の日本語無料週刊誌
http://wkvetter.com/

Special Thanks!
アイキャッチ画像撮影:Keisuke Takahara さん
アイコン画像撮影:ひび やすまさ さん
写真提供:野田 恵里子 さん



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ABOUTこの記事をかいた人

宮城県仙台市出身。2013年6月からベトナム・ハノイ在住。 ベトナム在住そして、独身女性だからこそ書ける記事を提供できるよう日々奔走中。自称ハノイ美容マニア。趣味である各国の「民族衣装」撮影時にベストなコンディションで臨めるよう、日々新しい美容方法を試している。 本人はしっかりしているつもりなのに、度々変な事に巻き込まれる。地元の後輩からは『生きるコントby大宮エリー』と言われている。