2018年3月〜2020年3月の間、JICA海外協力隊としてイェンバイ省に派遣されています、大宮です!
CBT(コミュニティベースドツーリズム)という、少数民族のホームステイサービスの向上や、村での体験プログラム・お土産づくりのサポートをしています。
みなさんは、ベトナムで“棚田”と聞くと、まずどこを想像しますか?
きっとベトナムの観光地についてある程度知っている人ならば、“サパ”と回答する人も多いのではないでしょうか?
もちろんサパも一度は行ってみたい素敵なところですが、本日はまだあまり知られていない秘境、「ムーカンチャイ」についてです。
ただ本当は…“秘密にしておきたい”、“観光客の増加で、今の素晴らしい状態が損なわれてしまうのは絶対イヤ!”…こんな気持ちも強いのですが、内緒にしておくにはあまりにももったいない場所なので、イェンバイ省在住の日本人として是非紹介させて下さい!!
絶景の棚田、ムーカンチャイの魅力
ムーカンチャイは、方角的にはサパに近い北西山岳地域、イェンバイ省に位置します。ハノイから約270km、車で約7~8時間(!)。高速も整備されていないため、正直気軽には行けない場所です。
ただそれでも、実際に訪れた誰もが「行って良かった」、「最高だった」と大満足しています。
多くの日本人にはまだあまり知られていませんが、ムーカンチャイの棚田は「ベトナム国家文化遺産」に指定されており、今年3月には、ニューヨークのトラベルマガジンCondé Nast Travelerに「世界で最もカラフルな場所」として選ばれました。
“ベトナム一美しい棚田”とも呼ばれている場所で、多くの写真家も訪れています。
(※参考:https://www.cntraveler.com/gallery/most-colorful-places-in-the-world)
この円形の棚田の写真、どこかで見たことはありませんか?
この投稿をInstagramで見る
そう、ここがムーカンチャイです!
よく旅行会社が、どこか違う場所のイメージ写真としてこの円形の棚田の写真を扱っているのを見かけますが、残念ながらムーカンチャイではない“別のどこか”に行ったとしても、この景色は見られません!笑
この円形の棚田は、Mam Xoi(お盆にのったおこわという意味)と呼ばれており、ムーカンチャイのアイコンになっています。また、ムーカンチャイは高地の山岳地帯にあるため、Mam xoi以外にも見渡す限りの棚田が山の斜面に沿って広がっており、車窓から眺める景色も、トレッキングで味わう空気も最高です。目の前に広がる棚田“しか”ない贅沢な世界にどっぷりと浸ることができ、思わずため息がこぼれます。この棚田、機械ではなく一段一段人の手でつくられているそう。人々がかけてきたその労力と時間を想像すると、本当に驚きです。この圧倒されるような景色を見るためには、唯一無二のムーカンチャイへ。
そして、ここはモン族が多く住むエリア。まだ観光開発が進んでおらず、のんびりと落ち着いている雰囲気を味わえ、少数民族の人々の暮らしを間近で感じられるのも魅力です。
サパとの違いは?
“棚田”や“少数民族”といったキーワードが似ているサパとの違いを聞かれることもあるため、私なりの視点をお伝えします。
サパは観光開発が進み、ホテルやパッケージツアーもかなり整備されていて英語が通じるところも多いですよね。ハノイからの移動手段も多く、初心者でも割と行きやすいと思います。
一方、ムーカンチャイは”the田舎!”です。
商業的な雰囲気はほぼ無く、人々も非常にのどかな感じです。英語はほぼ通じません!(少数民族は独自の言葉を持つため、ベトナム語も通じないことも!)また、棚田は広範囲に渡るため、“行ってみたけど棚田が見られなかった…”ということがまず無いのが魅力です。
ただ、ムーカンチャイの棚田は私有地なので、写真撮影をする場合は地元の人に配慮するようにして下さいね!
ベトナムに慣れていない方、快適さ重視の方にはサパを。
一方、“絶景の棚田”を旅のメインにしたい方、観光客が少ない長閑な“ベトナム田舎体験”をしたい方には、ムーカンチャイをオススメしています。
いつ行くのがいいの? 棚田のベストシーズン
ベストシーズンは、稲刈り直前の季節、8月末〜10月にかけて。
まだまだ真夏の暑い時期ですが、稲が成長し、豊かな黄金の稲穂の景色を楽しめます。
4〜6月にかけての田植えの季節も、水を張った茶色と苗の緑のコントラストを見ることができます。
毎年、天候によりベストシーズンが少しずつ変わるそうです。もし必ずこの景色がみたい、という希望があれば、ベトナムの旅行会社などに問い合わせてみて下さい。
どうやって行くの?
公共機関を使う場合は、ハノイのMy Dinh(ミーディン)バスターミナルからムーカンチャイ行き直行バスが出ています(夜行バスもあり)。
もしくは、中間地点にあるNghia Lo(ニアロ)行きは本数が沢山あるので、そこで乗り換える方法もあります。体力やローカル感に自信のある方、安さ重視の方はチャレンジして下さい!
ただ、やはりバスへのハードルは高いと思うので、私自身はハノイからレンタカーを借りる、もしくは現地発着ツアーに申込むことをオススメしています。
(※ちなみに、TNK&APTトラベルJAPANさんとツアーを作りました! )
どこに泊まればいい?
少数民族のホームステイは、新鮮で美味しいローカル食も楽しめオススメです。
ムーカンチャイの中心部には、タイ族のホームステイがたくさんあります。
ホームステイといっても、タイ族の高床式伝統家屋の2階の大広間に、カーテンのようなもので仕切られているプライベート空間の中で、敷き布団に寝るスタイル。ほとんどの場所でWifiはサクサクつながり、水洗トイレ、お湯のシャワーは完備です。
また、景色重視ならば、モン族のホームステイは山の上ですが、朝靄や夕暮れの景色が最高です!
ホームステイはハードルが高い、必ず個室がいいという方は、ホテルも市内にはありますので(ほとんどがNha Nghiですが多くの観光客が普通に宿泊しています)そちらを利用して下さい。
※なかなかネット上に情報がないのですが、Google mapで“Mu cang chai Homestay”と検索するといくつか出てくるはずです。
(旬のタケノコや水牛のジャーキーなどは絶品です!)
まとめ
ハノイからの移動時間もあり、出来れば最低2泊3日で訪れてほしい場所です。ただ、週末にハノイから1泊旅行で来る人もいます。
“絶景の棚田と少数民族の秘境”・“新鮮な空気と美味しい食事”にいいなと思った方、“ベトナムの新たな場所を開拓してみたい”という方は、是非ハノイからの週末旅の候補としてご検討下さい。
特に折角ハノイに住んでいる方には、一度は訪れることをオススメしたい場所です!!