憧れだけでは暮らせない。ハノイが好きだからこそ知っておいてほしい現実

少し前にはなりますが、ネットサーフィンをしていて、ハノイでの生活を「物価が安い! 親日! 悪いところ無し!」と手放しで褒め称えている記事を読みました。

私もハノイで生活している一人として、ハノイでの生活を楽しんでいる方がいることは、とーっても良い事だと思うのですが、果たして手放しで褒め称えられる場所か? と言われると色々と腑に落ちないところがあります。

また、私の体感で思うことはハノイへの憧れが強ければ強い人ほど、直ぐに挫折してあっさり帰国してしまう人が多い気がします。

片想いと一緒で、想像を膨らませれば膨らませるほど、現実と自分の中の空想に差が生まれてしまうのだと思います。

そこで、今回はハノイが好きだからこそ、事前に知っておいてほしいハノイの現実をご紹介いたします。

ベトナム人編

パーソナルスペースが近すぎる。

日本人の場合、席が空いている場合は、なるべく1つ席を空けて座るなど、他人との接点を避ける方も多いと思いますが、ベトナムの場合は逆で席が空いていても隣の席、一緒のテーブルに座ってくる人も多いです。

また、そうして隣同士になると知らない人でもバンバン話しかけられます。年齢、国籍、結婚の有無などは挨拶代わりに聞かれることなので、いちいち気にしているときりがありません。

お節介すぎる(時が多い)

前述した内容にも通ずるものがありますが、ベトナム人の方は、親切で世話焼きで優しい面も多々あるのですが、たまに度が過ぎるというかお節介すぎるときがあります。

姑息な手段でお金を得ようとする(人もいる)

値段設定はあってないようなものなので、高額を吹っ掛けられることもあります。

先日、旅行者を案内していたところ、路上でおやつを売っているおばちゃんに「一つ食べてみろ」と揚げドーナッツを一つ渡され、私は断ったのですが、旅行者の方が受け取って食べたところ、5万ドン(≒250円)も請求されました。

ピンポン玉サイズの揚げドーナッツ1つが、そんな値段するわけがないですし、渡されたら試食かと思ってしまった旅行者の方の気持ちもよく分かります。

特に観光地で起きていることなので、注意が必要です。
こんな感じで売りに来ます。

謝らない、逆ギレする(人も多い)

基本的に何かが起きて謝られるということは、ほとんどありません。(逆に謝ってもらえるとビックリするくらいです。)

ベトナム人曰く「小さい頃から悪いことをしても謝るという教育を受けてこなかった。」とのことです。文化の違いなので仕方が無いのかな? とは言え、腑に落ちないことも多々あります。

職場における日越コミュニケーション齟齬と背景にある文化の違い

生活環境編

空気が汚い(マスクが必需品)


春先は特に空気が悪く、外を歩いていると目がかすんでいるのか世界がかすんでいるのか分からないことがあります。そのため、外を歩く時は基本的にマスクが必要です。

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私は最近こんな感じのマスクをしています。

移動手段が車になるので移動費がかかる

ハノイにはまだ電車が無く移動手段は、バイク、バス、車(タクシーや配車アプリを利用)なのですが、バイクは購入しないと手軽には乗れないですし、バスは目的地に着くまで時間がかかることが多いので、どうしても普段使いは車となります。

日本の”タクシー代”と比べると安いのですが、普段の乗り物代と考えると日本で電車に乗るよりも割高になります。
バスに乗りたい方は↓を読んでくださいね。

ハノイ市バスアプリ『Tìm Buýt(無料)』をダウンロードしてみました!

冬はめちゃくちゃ寒い(冬の間、2ヵ月程太陽が見えない)

ベトナムは、常夏だと思われている方もいるかもしれませんが、ハノイは冬があります。

日本の冬より全然気温は高いのですが、湿気が多いので体感温度は日本の気温より寒く感じます。また前述した通り空気が汚いのもあって、冬場はほとんど太陽を見ることはありません。

春先は、湿気が多く物がカビる

ハノイはとにかく湿気が多いので、春先生暖かくなってきた頃にカビが大発生します。

ありとあらゆるものがカビるので、「こんなものもカビるのか!?」と感心するくらいです。最近の私は、買い物に「この素材は、カビそうか?」というのを1つの基準にしています。

革製品や、合皮製品などが特にカビやすいです。

前述した通り、冬場は太陽が出ず、日本のようにカラっとしている日はまず無いので、我が家では毎日日本から持って来た除湿機が稼働しています。


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洗濯物を乾かすための必須アイテムです。


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そして、クローゼットなどには湿気取りを設置! 湿気取りは、ハノイのスーパーでも購入することができますので、ご安心ください。

電気代が高い

最近下記記事が、公開されたのですが、ハノイ在住日本人からは「そんなことはない! 電気代高い!」という声が上がっていました。

外国人料金があるのか何なのか、こちらの記事の2倍くらいの電気代が請求されるのが普通です。

日本と同じくらいの電気代を支払うと思ってもらって間違いないです。

年に1回くらい床上浸水する

毎年というわけではないのですが、年に1回ほど大雨が降った日に浸水します。

雨量の問題もありますが、下水道の整備がしっかりしていないことも原因の一つのようです。

千と千尋の神隠しで言っていた「雨が降ったら海になるのは当たり前」みたいなことの意味がハノイに来てよくわかりました。


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余談ですが、海外で暮らしているとたまに千尋のように異世界に迷い込んだ気持ちになる時があります。

虫が多い、ネズミが道路を走っている

ゴキちゃんはもちろんのこと、日本では見たことがない虫が家の中にいたりします。東南アジアなので、覚悟してください。

ハノイでも殺虫スプレーは、購入できるので常備しています。(この前職場のベトナム人は足で潰していました。強い。。。)


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自分で虫の始末が出来ない人は、ハノイ生活かなり厳しいと思います。

健康面編

運動不足になる

空気が汚くて外を歩けない&移動手段が車(つまり家の前から目的地まで乗れてしまう)になるため、日本に居た時よりも歩く頻度が減ります。

私は、スマホアプリで毎日の歩数をチェックしているのですが、日本での一時帰国時とハノイ生活とでは自然と歩く歩数が半分以下になっており、ハノイでも意識的に歩くようにしています。……いますが、前述の通り空気が悪いので、歩くのが良いのかどうか悩ましいところです。

生理不順になる人もいる/月経前症候群(PMS)がひどくなる人もいる

女性の方で、ベトナムに来てから生理不順になった、生理痛が酷いなんて話をよく聞きます。

ただ、そういう人達からよくよく話を聞くと日本に居た時から不順だったということを聞くので、ベトナム生活を始める前にしっかりお医者さんと相談しておくことをお薦めします。

文化の違いから落ち込むこともある。

日本とベトナム、全く違う環境で育った人間同士なので、時にぶつかり落ち込むこともあります。

ベトナム人同僚との闘いの日々!?文化の違い、言葉の壁。

ベトナム生活で落ち込んでしまった時に試す色々なこと。

食事編

ベトナム料理には大体パクチーが入っている

ベトナム料理には基本的にパクチーが入っています。苦手な方は覚悟が必要です。

……とは、書いていますが、実は私もパクチー食べられません。それでも暮らせているのでなんとかなります。

ベトナム料理以外は、日本と変わらないお値段

時には日本食や洋食が食べたくなることもあると思います。ベトナム料理は、安いのですが、それ以外の料理は日本と変わらないので、ローカルフード以外も食べていると意外と食費がかかります。

食の安全性はまだまだ不安がある

ハノイで生活しているとたまに食あたりになってしまったり、まだまだ食の安全性はしっかりしていません。
ただ、下記記事の方々のように食の安全性を高めよう! としている動きもあるので今後に期待です。

安全で栄養価の高い食材が購入できるお店『V-ORGANIC』@ハノイ

ベトナムで高品質な豆腐を販売する”豆腐マイスター”カオミンケンさんインタビュー前編


いかがでしたでしょうか?

5年前に比べて停電が減りました。信号が増えました。コンビニが出来ました。イオンが進出してきました。配車アプリで移動が便利になりました。

ただ、相変わらず海底ケーブルは切れることが多いですが、たったの5年で不自由だったハノイ生活がドンドン便利になってきています。

今回の記事では色々と書いてはしまいましたが、良いところも沢山あります! だからこそ私も6年近くハノイで暮らしています。ただ、予想と現実のギャップを少しでも減らして、楽しいハノイ生活をスタートしてほしいなという願いを込めて、今回の記事を作成いたしました!

ベトナム人の良いところや、文化の違いなどについては、下記記事にして紹介しておりますので、併せてご覧いただけると嬉しいです。

ハノイ在住5年目筆者の思う『ベトナム人の好きなところ10選』

ベトナム人従業員から見た日本の企業文化や日本人のイメージとは?

ハノイ在住者にベトナム人女性の性格を聞いてみました



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ABOUTこの記事をかいた人

宮城県仙台市出身。2013年6月からベトナム・ハノイ在住。 ベトナム在住そして、独身女性だからこそ書ける記事を提供できるよう日々奔走中。自称ハノイ美容マニア。趣味である各国の「民族衣装」撮影時にベストなコンディションで臨めるよう、日々新しい美容方法を試している。 本人はしっかりしているつもりなのに、度々変な事に巻き込まれる。地元の後輩からは『生きるコントby大宮エリー』と言われている。